事業概要

 

北部タイに居住するミャンマー避難民は、十分な就業スキルが無い者が多いため、タイ国内においては所謂3Kの職種に不法で従事する者が多い。また、いずれ本国帰還を果たすとしても、それぞれの少数民族地域における現地での就業環境も劣悪である。従って、彼らが帰還 後、再び経済難民とならないよう、きちんと生計を立てていけるだけの基礎的職業技能を身につけることが喫緊の課題である。そのことから、ミャンマー避難民帰還のための就業環境向上 を目的とした民生支援を行うことの必要性があると判断し、以下の事業内容でプロジェクトを推進することとした。

また、本プロジェクトの基礎的要件として、  

-避難民の多くは農村出身であること  

-避難民の地域的要素から鑑みると、第一次産業に結びつけた技能育成機会の強化が必要であること

-楮紙生産技術の技能習熟がさほど難しくないこと  

-タイ国内及び東南アジア諸国において、楮紙の需要に対して供給量が少ないと認められること  

-弊財団が現在活動中の「ミャンマー少数民族民生支援農業プロジェクト」で、ミャンマー少数 民族当該研修農地において楮生産を行っていること等々との連動性を生かし、「楮紙生産技術の習得」を柱としたカリキュラムを推し進めることとした。  

その過程で、政府勢力と各少数民族との融和のためのプロジェクトとして行っているミ ャンマー少数民族民生支援農業プロジェクトの「実験農場」で生産している楮を、包括的に製品まで精製することによって、換金のプロセスを参考として裨益者に示していくことが大事で あると考えられる。また、現在あるミャンマー少数民族地域の実験農場での楮生産から、楮紙生産技術につなげて、換金作物栽培及び製品の生産販売まで、一貫性を持ったプロジェクトを 連動させることによって、避難民帰還成功率を高めていけるとも考えられる。  

開催期間 20144月から 

開催場所 タイ・チエンマイ県メーワーン郡

 

2015年2月2日、楮紙職能訓練施設のオープニングセレモニー  

 

 

 

 2015年2月2日、楮紙実演のワークショップ