世界有数の親日国であるタイと日本の交流は、600年に渡る長い歴史を有し、友好関係を深化させて来ました。現在、毎年タイを訪問する邦人は100万人を超え、日本を訪問するタイ人も約20万人に至り、大規模な人の往来がなされています。タイに定住する日本人も約5万人規模に達しています。このように密接な日タイの良好な関係の強化は、将来に渡る日本・タイ両国の友好と発展に多大な利益をもたらします。

その一方で、良好な日タイ関係の裏面には、まだ十分に整備されていない諸課題も横たわっています。日本への身売り同然の出稼ぎや、その背景にあるタイの貧困や教育機会保障の問題、生活困難に直面した少なくない数の日タイ混血児の存在などが、その例です。

日タイ両国間の活発な交流と人の移動の中で、良好な関係と相互理解を力強く推進することは極めて重要です。そのなかで、両国間で生じて取り残された未整備の課題をも同時に改善して行くことは、両国を真に良好な関係に導く上で核心的な重要性を有しています。

また、人の移動がますます活発化する中で新たに発生している、タイ長期定住日本人や日系子弟の増加を含む、 日タイの新しい人的交流上の課題についても、良好な日タイ関係の礎となる方向へ推し進めて行く努力が重要です。

また、タイ国境を接するメコン河流域圏の国々(ミャンマー・ラオス・カンボジア)の社会問題はタイの国内問題と密接に関連しており、国境を跨いだ一体的視点からのアプローチが重要となって参ります。

本財団は、2009年から活動を開始したNGO「日タイ児童を支援する会」を発展改組し、教育開発の見地から、日タイ間の活発な人の移動から生じた様々な側面を、相互理解と良好な両国関係へと収れん発展させ、今後の日タイの架け橋となる日タイ混血児支援・タイの教育環境全般に対する支援・日タイ相互理解の推進、さらにはタイ隣国の社会的課題に関して、公益法人としての取り組みを行っております。

この趣旨にご賛同いただき、ご理解とご協力を頂ければ幸いに存じます。

タイ国財団法人「タイ日教育開発財団」